10月11日より日本政府による水際対策が緩和され、コロナ禍で停滞していた外国人観光客(インバウンド)の受け入れが本格的に再開し始めました。円安進行も背景に国際線予約は3~5倍に急伸しています。
※1 日経新聞「JALやANA、訪日再開で日本行き予約急増 香港線再開も」
この記事では、こうした背景の中でどこの国の訪日客が多いのか、航空路線の増便傾向から今後のインバウンドを予測していきます。
2022年の訪日顧客推移
ビジネス客・観光客の増加
JNTOの調査を元に2022年訪日客のグラフを作成しました。
4月以降顕著に増加傾向の推移が確認できます。観光以外のビジネス層の回復が多く年始時点では個人旅行客の制限等大きなハードルがあったことが、インバウンド回復の足枷となっていたのではないかと考えます。7月は休暇シーズンという時期的要因もあり(毎年増加傾向)徐々に回復しているような状況でした。
今回の水際対策緩和の影響は来月以降で効果が現れてくるのではないかと思いますが ※1 のように各航空会社の予約数増加と言った記事を鑑みると年内に『30万人以上』もかなり現実的な数値ではないでしょうか。
国籍割合と推移
増加するインバウンド顧客数206,500人の内訳は一体どの国が多くを占めているのかというと
上位5カ国から『韓国』『ベトナム』『米国』『中国』『インドネシア』という順で、全体的にインバウンド客はアジア圏が中心となりました。
また、国籍別の推移を直近4ヶ月間で見ると韓国の上昇が大きく見えますが、比較的近いという点と水際対策やビザといった渡航までの工数が影響していると見られます。
6月ごろ韓国大使館にビザ申請でディズニーの10倍の行列 ※2 という記事があった記憶も新しいですが8月以降『ビザなし渡航』可能となっており、こうした影響が大きく作用したのではないかと考えます。
国際線直行便数推移
9月時点での便数(2019年比)
2019年比にて9月のインバウンド回復傾向は着々と便数の増加をしており台湾,韓国,香港,米国といった以前まで訪日客の中で大部分を占めていた国を中心に増便傾向にあります。
また、過去訪問経験がある国は選択しやすい傾向にあり、今後の訪日客数の増加にも注目が高まります。
10月以降の増加便数
現時点(10/31次点)で確認できている直行便の増便が予定されている国は下記となり現在の訪日客数と併せて考えると増便によって『韓国』『米国』『台湾』『インドネシア』『タイ』『香港』といった国は年末に向けて非常に多くの訪日客を見込むことができます。
国 | 9月人数 | 現便数 | 増便本数※10月31日時点 |
---|---|---|---|
韓国 | 32,700 | 39.5 | 164 |
ベトナム | 30,900 | 60 | – |
米国 | 18,000 | 186 | 8 |
中国 | 17,600 | 20 | – |
台湾 | 6,700 | 22.5 | 35 |
インドネシア | 9,200 | 20 | 2 |
タイ | 7,600 | 53.5 | 14 |
フィリピン | 8,500 | 67.5 | – |
香港 | 2,800 | 9.5 | 24 |
ドイツ | 5,300 | 8 | 2 |
オーストラリア | 4,700 | 10 | 5 |
フランス | 5,300 | 13 | 2 |
インド | 5,200 | 15 | – |
イギリス | 4,500 | 10.5 | – |
シンガポール | 2,900 | 45 | 14 |
マレーシア | 3,000 | 11 | 2 |
参考:スカイバジェットの記事より増便数値引用 https://sky-budget.com/2022/10/01/oct-2022-schedule-jpn/
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は訪日客の推移と国際線の本数から2023年に向けたインバウンドの回復動向についてご紹介させていただきました。今後の訪日客の動向を知ることで今後の準備に繋がれば幸いです。
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※1参考:日経新聞「JALやANA、訪日再開で日本行き予約急増 香港線再開も」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC101LL0Q2A011C2000000/
※2参考:朝日新聞「娘に、恋人に会いに…韓国ビザ求め行列「ディズニーの10倍待った」」
https://www.asahi.com/articles/ASQ624D1NQ62UHBI01H.html