ポストコロナ|台湾の訪日観光客の実態とは?データを基に徹底解説

親日国としても有名な台湾からの観光客数は、2019年まで年々増加を続けていました。
その後、新型コロナウイルス感染症が世界中で蔓延し、2021年時点では約5千人にまで減少します。この記事では、2013年から2023年までの訪日台湾人のデータをまとめて紹介します。

この記事でわかること
  • 訪日台湾人の特徴
  • 台湾からの訪日旅行データ
  • インバウンド消費の推移
こんな方におすすめ
  • 日本を訪れる台湾人観光客のデータを知りたい
  • 訪日外国人客の誘致に取り組んでいる
  • ポストコロナにおけるインバウンド施策のヒントを得たい
目次

訪日台湾人の4つの特徴

はじめに、インバウンドの要となる台湾人観光客の4つの特徴について解説します。
以下の情報は、国土交通省観光庁の「訪日外国人の消費動向 2022年 年次報告書」に基づいています。

ハイシーズン

訪日する台湾人観光客の多くは、夏の長期休暇を利用して日本を訪れる傾向にあります。
そのため、ポストコロナにおける訪日台湾人に対するインバウンド施策を講じるためには、夏季のシーズンを重視する必要があるといえます。

滞在日数

台湾人観光客の平均滞在日数は、2019年のデータに基づくと5.5日と算出されています。約1週間を利用して観光・買い物を楽しむ人が多いことがわかります。

リピーター率

訪日台湾人の訪問回数は、全観光客数のうち「4回目以上」と回答した割合が79.7%も占める結果(2019年時)となり、リピーター率が非常に高いことが分かります。

主目的

2022年の訪日目的は「観光・レジャー」が65.7%、「業務」が22.6%、「その他」が11.7%という結果でした。

台湾からの訪日旅行データ

台湾からの訪日旅行データを「日本政府観光局(JNTO)」の資料から見ていきましょう。

訪日外客数推移(2013年~2023年):訪日台湾人は何人来ているのか

2013年から2019年まで増加を続けているものの、前年比として見てみると年を経るごとにその大きさが小さくなっている点が特徴的です。

累計前年比
2013年2,210,821人50.8%
2014年2,829,821人28.0%
2015年3,677,075人29.9%
2016年4,167,512人13.3%
2017年4,564,053人9.5%
2018年4,757,258人4.2%
2019年4,890,602人2.8%
2020年694,476人-85.8%
2021年5,016人-99.3%
2022年331,097人6,500.8%
2023年(1月~4月のみ)1,078,300人
出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」

ポストコロナの訪日観光客推移

訪日観光客は2019年まで増加を続けていたことがわかりますが、コロナの世界的蔓延によって一転し2020年頃より減少傾向となっています。防疫措置の緩和も行われた2022年から回復の兆しを見せています。

累計前年比
2013年10,363,904人24.0%
2014年13,413,467人29.4%
2015年19,737,409人47.1%
2016年24,039,700人21.8%
2017年28,691,073人19.3%
2018年31,191,856人8.7%
2019年31,882,049人2.2%
2020年4,115,828人-87.1%
2021年245,862人-94.0%
2022年3,832,110人1,458.6%
2023年(1月~4月のみ)6,739,500人
出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」

月別訪日外客数:ハイシーズンはいつなのか

台湾からの訪日観光客数を見ると、コロナ以前は6・7月の夏の季節が最も多く、続いて10月の秋や4・5月の春が多くなる傾向にありました。

スクロールできます
1番多い月2番目に多い月3番目に多い月
2013年7月(238,502人)6月(226,974人)10月(213,501人)
2014年5月(281,997人)7月(279,316人)10月(260,398人)
2015年7月(361,683人)6月(345,243人)10月(343,601人)
2016年6月(397,840人)7月(397,002人)4月(384,165人)
2017年7月(446,604人)6月(433,603人)10月(421,094人)
2018年4月(470,042人)7月(460,473人)6月(456,895人)
2019年6月(461,085人)7月(459,216人)5月(426,537人)
2020年1月(461,239人)2月(220,420人)3月(7,700人)
2021年1月(592人)7月(549人)3月(552人)
2022年12月(170,159人)11月(99,533人)10月(35,028人)
2023年(1月~4月のみ)4月(291,600人)3月(278,900人)1月(259,340人)
出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」

インバウンド消費

「インバウンド消費」とは、日本国内における訪日外国人観光客の消費活動のことを意味しています。

インバウンド消費額推移(2014年~2023年):台湾市場全体の規模は?

インバウンド消費額は2018年まで増加を続けていましたが、前年比として見てみると徐々に縮減していることがわかります。

*新型コロナウイルス感染症の影響により調査が中止されたため試算値および不明となっているデータ

訪日台湾人旅行者の消費額前年比
2014年3,544億円43.2%
2015年5,207億円46.9%
2016年5,245億円0.7%
2017年5,744億円9.5%
2018年5,817億円1.3%
2019年5,517億円-5.2%
2020年1,080億円*-80.2%
2021年不明(全体で1,208億円*
2022年759億円*-86.2%(2019年比)
2023年(1月~3月のみ)1,620億円6.3%(2019年比)
出典:国土交通省 観光庁「訪日外国人消費動向調査」

一人当たりインバウンド消費額推移(2013年~2023年):訪日台湾人は1人いくら使う?

コロナ以前、1人当たり消費額は120,000円ほどを推移していましたが、2023年で初めて200,000円を超える結果となりました。

*新型コロナウイルス感染症の影響により調査が中止されたため試算値および不明となっているデータ

訪日台湾人旅行者の1人当たり旅行支出前年比
2014年125,248円11.9%
2015年141,620円13.1%
2016年125,854円-11.1%
2017年125,847円0.0%
2018年127,579円1.4%
2019年118,288円-7.3%
2020年159,722円*35.0%
2021年不明
2022年不明(全国籍で234,524円*47.9%(2019年比)
2023年(1月~3月のみ)205,945円57.8%(2019年比)
出典:国土交通省 観光庁「訪日外国人消費動向調査」

ポストコロナのインバウンド消費推移

コロナ以前ではインバウンド消費額が年々増加する推移となっていましたが、コロナ期において大幅に減少しました。ですが、2023年の1月から3月までの間でも既に1兆を超える額を記録しており、回復の兆しが見てとれます

*新型コロナウイルス感染症の影響により調査が中止されたため試算値および不明となっているデータ

訪日外国人旅行者の消費額前年比
2014年2兆278億円ー(2013年と計算方法が異なるため省略)
2015年3兆4,771億円71.5%
2016年3兆7,476億円7.8%
2017年4兆4,162億円17.8%
2018年4兆5,189億円2.3%
2019年4兆8,135億円6.5%
2020年7,446億円*-84.5%(2019年比)
2021年1,208億円*-97.5%(2019年比)
2022年8,987億円*-81.3%(2019年比)
2023年(1月~3月のみ)1兆146億円-78.9%(2019年比)
出典:国土交通省 観光庁「訪日外国人消費動向調査」

旅行支出内訳:訪日台湾人は何を買い、消費している?

訪日台湾人の支出比率では、全体的に買い物代・宿泊料金が大きな割合を占めていることがわかります。

スクロールできます
旅行支出総額宿泊料金飲食費交通費娯楽サービス費買い物代その他
2014年125,248円37,021円25,267円12,568円3,598円46,501円292円
2015年141,620円36,048円25,794円15,286円4,965円59,500円28円
2016年125,854円33,634円26,611円14,126円4,137円47,122円224円
2017年125,847円32,939円26,004円14,286円4,458円47,846円314円
2018年127,579円35,312円28,190円13,548円5,059円45,441円30円
2019年118,288円32,814円26,258円13,419円4,267円41,502円27円
2020年159,722円(※試算値)不明
2021年不明
2022年不明(全国籍で234,524円(※試算値))不明
2023年205,945円60,066円42,314円20,400円12,209円70,784円172円
出典:国土交通省 観光庁「訪日外国人消費動向調査」

人気のお土産ものランキング:訪日台湾人は何をお土産に買っていく?

観光目的で日本を訪れた台湾人の費目別での購入単価(2019年時)を見てみると、「宝石・貴金属」「靴・かばん・革製品」「時計・フィルムカメラ」といったアクセサリー・小物類や、「化粧品・香水」「医薬品」が多いという結果でした。

出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日旅行データハンドブック(2022年版)」

買い物場所ランキング:訪日台湾人はどこで買い物をしている?

観光目的で日本を訪れた台湾人は例年、ドラッグストアやコンビニエンスストアでの買い物が多いことがわかりました。次いで、百貨店・デパート、スーパーマーケット、空港の免税店での買い物が上位に該当しています。

出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日旅行データハンドブック(2022年版)」

訪日台湾人の属性とは?

以下の情報は、国土交通省観光庁の「訪日外国人の消費動向 2022年 年次報告書」に基づいています。

年齢・性別構成比

訪日台湾人の年代は30代が最も多く32.8%、性別の構成比は男性が55.3%、女性が44.7%となっています。

20代以下30代40代50代60代以上
21.7%32.8%25.2%12.7%7.5%

滞在日数

平均滞在日数は5.5日となり、最も多い滞在日数は4~6日間と約1週間滞在する人が多いという結果になりました。

3日間以内4~6日間7~13日間14日間以上
9.4%56.2%29.1%5.4%

訪日経験

訪日経験については、10回目以上と回答した割合が最も多い結果となりました。台湾は親日国として日本旅行者にとっても人気の場所ですが、台湾にとっても日本も人気の観光地であることがわかります。

1回目2回目3回目4~9回目10回目以上
5.4%6.8%8.1%37.2%42.5%

旅行形態

旅行に訪れる際の手段としては、個別手配が最も多く、少数ではあるものの団体ツアーや個人旅行パッケージを利用する人もいることがわかりました。

団体ツアー参加個人旅行パッケージ利用個別手配
3.7%4.8%83.8%

訪日旅行の情報手段

出発前に役に立った旅行情報源

日本在住の親族・知人SNS動画サイト
22.8%21.9%21.4%

日本滞在中に役に立った旅行情報源

スマートフォン日本在住の親族・知人パソコン・タブレット端末
84.7%18.7%14.3%

ポストコロナにおける台湾人訪日客の動向

2022年10月に防疫措置の緩和が講じられて以降、海外からの訪日客は再び戻りつつあります。
台湾からの旅行客数は、2023年の1月から4月までの期間だけでも順調に回復の兆しにあることが見てとれます。今年の4月から段階的な入国規制の緩和も図られたこともあり、現時点で観光地等で外国人を目にする機会も増えてきたことでしょう。

今後は台湾人観光客をはじめとした海外観光客の受け入れを念頭に置きつつ、リピーターの割合を高める施策を講じることが必要となってくるでしょう。
そして、台湾訪日客においてはリピーターの多さも特徴的であり、リピーター特典といった形でその割合をさらに大きくすることがインバウンド消費の拡大に貢献すると考えられます。

まとめ

コロナ以前の台湾からの観光客は年々増加傾向にありました。コロナの流行拡大を防止するための水際対策によって、一時はインバウンド消費が縮減する形ともなりました。
ですが、水際対策の緩和によって再びその勢いは戻りつつあり、観光地等で外国人観光客を目にする機会も増えています

ENGAWAでは「日本」というブランドを世界へと発信するためのプロモーション事業を数多く実施しております。外国人目線でのマーケティング戦略、インバウンド施策について検討の際には、ぜひENGAWAへご相談くださいませ。

シェアお願いします!
外国人インフルエンサーマーケティングのオールインワンサービス「AnyStyle.Tokyo」 外国人インフルエンサーマーケティングのオールインワンサービス「AnyStyle.Tokyo」
目次