日本政府観光局(JNTO)の調査資料に基づき作成した「我が国における外国人入国者数の推移調査(2025年10月)」のレポートをご紹介します。2025年10月の訪日外国人入国者数は、秋の旅行需要の高まりを背景に、多くの主要市場で力強い伸びを見せました。それでは、詳細なデータを見ていきましょう。
日本全体の訪日外国人入国者数推移
2025年10月の訪日外客数は 389万6,300人 に達し、前年同月比 17.6%増 と大幅に伸長しました。10月として過去最高を記録した2024年(331万2,193人)を 58万人以上上回り、史上最高を更新しています。
10月は紅葉シーズンの始まりにあたり、欧米豪や中東を中心に訪日需要が拡大しました。また東アジアでは、各国の連休を利用した短期旅行が増加したことも訪日外客数を押し上げた要因となりました。
国・地域別の訪日外国人入国者数
2025年10月は、カナダ・メキシコを含む 5市場で単月過去最高を更新したほか、韓国・台湾・米国など13市場で「10月としての過去最高」 を記録しました。
上位主要国・地域の訪日外客数は以下の通りです。
- 韓国: 867,200人(22.26%)
- 中国: 715,700人(18.37%)
- 台湾: 595,900人(15.29%)
- 米国: 335,700人(8.62%)
- 香港: 196,000人(5.03%)
それでは、国・地域別の詳細な動向を見ていきましょう。
- 韓国: 10月の入国者数は 86万7,200人(前年同月比18.4%増)。訪日のピークは12〜2月ですが、年間を通して安定した訪日傾向が続いています。初来日者は約20%、リピーターは約80%と高いリピート率が特徴。今月は清州~那覇の新規就航、釜山~新千歳・長崎の増便など航空座席数の拡大に加え、秋夕(チュソク)連休の需要が追い風となり、10月として過去最高を記録しました。
- 中国: 10月の入国者数は 71万5,700人(前年同月比22.8%増)でピークは夏期シーズンです。今月は福州~成田、上海~成田の増便など航空座席数の増加に加え、国慶節と中秋節が重なる大型連休の効果もあり、前年を大きく上回る結果となりました。
- 台湾:10月の入国者数は 59万5,900人(前年同月比24.4%増)。年間を通して安定した訪日需要が続く市場で、初来日者は約13%、リピーターは約87%。台北桃園~福岡の増便や、台北桃園~神戸のチャーター便など地方路線の拡充に加え、10月に3連休が3回あったことが需要を押し上げ、過去最高を更新しました。
- 米国: 10月の入国者数は 33万5,700人(前年同月比20.6%増)。訪日のピークは桜(3月)、夏休み(6月)、紅葉(10月)で、季節需要の波が明確な市場です。初来日者が約60%、リピーターが約40%と、新規訪問の比率が高いのが特徴。直行便の増加や訪日人気の継続に加え、クルーズ需要の高まりも寄与し、10月として過去最高 を記録しました。
- 香港:10月の入国者数は 19万6,000人(前年同月比1.4%減)。FIT中心の市場でリピーター比率は約90%。クルーズ寄港などプラス要因はあったものの、前年は3連休だった重陽節が今年は連休とならなかった影響が大きく、前年同月を下回りました。
訪日外国人旅行消費額の動向
2024年の訪日外国人旅行消費額(速報)は、2023年比で53.4%増、2019年比では69.1%増の8兆1,395億円と推計されています。
消費額を国籍・地域別に見ると、中国が1兆7,335億円(構成比21.3%)で最も多く、次いで台湾、韓国、米国、香港と続きます。これら上位5カ国・地域で全体の65.7%を占めています。
費目別の構成比では、宿泊費が33.6%で最も多く、次いで買物代(29.5%)、飲食費(21.5%)の順でした。2023年と比較して、買物代の構成比が増加しています。
また、一人当たりの旅行支出を見ると、中国が11万9千円と突出して高い買物代を支出している一方、英国(17万円超)やオーストラリア(16万円超)は宿泊費が高い傾向にあります。
インバウンド最新ニュース
1. 2026年の旅行トレンド:旅は“自己表現”の時代へ
Trip.com × Google の最新レポートによると、Z世代を中心に旅の価値観が“自己表現・心身の再生”へと大きく変化しています。2026年の主要トレンドは、自己表現型・ウェルビーイング重視・深体験型など5領域にわたり、食・ファッション・写真を通じて“自分らしさ”を表現する旅や、温泉・自然・ヘルスケアを求める滞在型旅行がさらに拡大しています。
茶道や城巡りなど文化理解を深める体験型の旅も人気が続き、観光は「目的のある体験」へと進化。APAC地域では日本人気が継続し、特にZ世代で食・文化・街歩きが高評価。SNS発信が訪日動機を後押しするなど、体験価値と滞在コンテンツの重要性が一段と高まっています。
2. 世界のベストホテル2025に日本から5施設が選出
英国・William Reed社が発表した「世界ベストホテル50(2025)」では、日本から5施設がランクインしました。ブルガリ ホテル 東京、アマン東京、ジャヌ東京、東京エディション虎ノ門、HOTEL THE MITSUI KYOTO など、日本のラグジュアリーホテルの存在感が際立っています。
上位はアジア勢が独占し、香港・タイ・シンガポール・ドバイが強い競争力を示しました。評価基準の中心は「体験価値」と「高付加価値の滞在設計」。滞在自体が旅行目的となる“体験重視型ホテル”が選ばれる傾向は、今後のインバウンド戦略にも重要な示唆を与えています。
これらのデータは、インバウンドマーケティングにおいて、プロモーションの設計、タイミング、コンテンツの質を見極めることの重要性を示唆しています。
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