2025年9月版:インバウンド訪日外国人入国者数の推移調査

日本政府観光局(JNTO)の調査資料に基づき作成した「我が国における外国人入国者数の推移調査(2025年9月)」のレポートをご紹介します。2025年9月の訪日外国人入国者数は、夏期休暇シーズンを終えた後も継続的な訪日需要の高まりを背景に、多くの市場で堅調な増加が見られました。それでは、詳細なデータを見ていきましょう。

目次

日本全体の訪日外国人入国者数推移

2025年9月の訪日外客数は326万6,800人に達し、前年同月比13.7%増と9月として過去最高を更新、初めて300万人を突破しました。累計でも3,165万人に達し、過去最速で3,000万人を超える結果となりました。

夏期休暇明けや台風の影響など一部の減速要因があったものの、継続的な訪日人気を背景に、東アジアや東南アジア、欧米豪など幅広い地域で堅調な増加が見られました。

国・地域別の訪日外国人入国者数

2025年9月は、中東地域で単月過去最高を記録したほか、台湾や米国、ドイツなど18市場で9月として過去最高を更新しました。

2025年9月の訪日上位主要国・地域別の訪日外客数は以下の通りです。

  • 中国: 775,500人(23.7%)
  • 韓国: 670,500人(20.5%)
  • 台湾: 527,000人(16.1%)
  • 米国: 224,700人(6.8%)
  • 香港: 149,500人(4.5%)

それでは、国・地域別の詳細な動向を見ていきましょう。

  • 韓国: 9月の入国者数は67万500人で、前年同月比2.1%増。訪日のピークシーズンは12月〜2月ですが、年間を通じて安定した訪日傾向が見られます。初来日者は約20%、リピーターは約80%を占めています。前年は 9 月中旬にあった秋夕(チュソク)連休が今年は10 月上旬にずれたものの、航空座席数の増加などが寄与し、9月として過去最高を更新しました。
  • 中国: 9月の入国者数は77万5,500人で、前年同月比18.9%増。訪日中国人のピークは夏休みシーズン(7月〜8月)ですが、9月も堅調な需要が続きました。中秋節の時期が10月上旬にずれたことや台風による一部便の欠航があったものの、地方路線の増便(塩城〜関西間など)やチャーター便の運航、クルーズ船の寄港が追い風となり、前年同月を上回る結果となりました。
  • 台湾: 9月の入国者数は52万7,000人で、前年同月比12%増。訪日ピークシーズンは4月〜7月ながら、年間を通じて訪日が続いています。初来日者は約13%、リピーターは約87%を占めています。台風による一部欠航があったものの、地方路線の増加や9月下旬の3連休が需要を押し上げ、9月として過去最高を記録しました。
  • 米国: 9月の入国者数は22万4,700人で、前年同月比17.1%増。訪日のピークは桜(3月)、夏休み(6月)、紅葉(10月)の時期に見られます。初来日者は約60%で、リピーターは約40%を占めています。直行便の増加や訪日旅行人気の継続に加え、混雑を避けた時期に訪日する動きもあり、9月として過去最高水準となりました。
  • 香港: 9月の入国者数は14万9,500人で、前年同月比12.2%減。訪日ピークは夏休み(7月)と12月でFIT(個人手配旅行)が中心です。初来日者は約10%と少なく、リピーターは約90%を占めています。9月は台風16号・18号による欠航や中秋節が10月上旬にずれた影響もあり、前年を下回る結果となりました。

訪日外国人旅行消費額の動向

2024年の訪日外国人旅行消費額(速報)は、2023年比で53.4%増、2019年比では69.1%増の8兆1,395億円と推計されています。

消費額を国籍・地域別に見ると、中国が1兆7,335億円(構成比21.3%)で最も多く、次いで台湾、韓国、米国、香港と続きます。これら上位5カ国・地域で全体の65.7%を占めています。

費目別の構成比では、宿泊費が33.6%で最も多く、次いで買物代(29.5%)、飲食費(21.5%)の順でした。2023年と比較して、買物代の構成比が増加しています。

また、一人当たりの旅行支出を見ると、中国が11万9千円と突出して高い買物代を支出している一方、英国(17万円超)やオーストラリア(16万円超)は宿泊費が高い傾向にあります。

インバウンド最新ニュース

1. アジア太平洋地域(APAC)における上半期の旅行動向

Booking.comの調査によると、2025年上半期(1〜6月)において、日本はAPAC各国で依然として高い人気を維持しています。
特に大阪・東京・京都・福岡などの主要都市が、各国の人気旅行先ランキング上位に入りました。

香港では日本の主要4都市がランクインし、「日本=定番旅行先」としての地位がさらに強化。
加えて、福岡・札幌・別府など地方都市への関心も高まり、インバウンド需要の分散が進行中です。

2. インバウンド都道府県ポジショニング調査2025

リクルートが運営する「じゃらんリサーチセンター」は、「インバウンド都道府県ポジショニング調査2025」を発表しました。

調査では、主要ルートから地方へ足を伸ばして滞在する“ルート延伸・宿泊長めタイプ”が新たに出現。
熊本や新潟など平均宿泊日数が長い地域で、新たな地方分散の動きが見られました。

市場ごとに異なる訪問ルートの傾向

  • アメリカ・欧州市場:東京・京都・大阪を中心に、広島・熊本・埼玉などへの訪問が増加
  • アジア市場(台湾・香港・タイなど):リピーターが多く、地方空港を起点に旅行する傾向
  • 韓国市場:青森から鹿児島まで広範囲を周遊・滞在する動きが強まる

これらのデータは、インバウンドマーケティングにおいて、プロモーションのタイミングや内容を戦略的に検討する重要性を示唆しています。

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