日本政府観光局(JNTO)の調査資料に基づき作成した「我が国における外国人入国者数の推移調査(2025年8月)」のレポートをご紹介します。2025年8月の訪日外国人入国者数は、スクールホリデーに伴う需要増が各市場で追い風となり、幅広い地域で増加が見られました。それでは、詳細なデータを見ていきましょう。
日本全体の訪日外国人入国者数推移
2025年8月の訪日外客数は342万8,000人に達し、8月として初の300万人超えを記録しました。これは、前年同月比で16.9%の増加となり、過去最高の記録を更新しています。
この好調の背景には、訪日旅行の継続的な人気に加え、東アジアや欧米豪・中東を中心に多くの市場でスクールホリデーに合わせた訪日需要が高まったことが挙げられます 。
国・地域別の訪日外国人入国者数
2025年8月は、台湾、スペインで単月過去最高を記録したほか、韓国、中国、米国などを含む18 市場で8月として過去最高を更新しました。
2025年8月の訪日上位主要国・地域別の訪日外客数は以下の通りです。
- 中国: 1,018,600人(29.7%)
- 韓国: 660,900人(19.3%)
- 台湾: 620,700人(18.1%)
- 香港: 226,100人(6.6%)
- 米国: 194,500人(5.7%)
国・地域別の詳細な動向を見ていきましょう。
- 韓国: 8月の入国者数は66万900人で、前年同月比8.0%増。訪日のピークシーズンは12月〜2月ですが、年間を通じて訪日しています。初来日者は約20%、リピーターは約80%を占めています。航空座席数の増加やスクールホリデーの影響により、8月として過去最高を記録しました。
- 中国: 8月の入国者数は101万8,600人で、前年同月比36.5%増。訪日のピークシーズンは7月の夏休みシーズンですが、8月も高い需要を維持しています。初来日者は約40%、リピーターは約60%を占めています。航空座席数の増加、クルーズ船の寄港、スクールホリデーなどが訪日客数を押し上げました。
- 台湾: 8月の入国者数は62万700人で、単月として過去最高を記録。訪日ピークシーズンは4月〜7月ですが、年間を通じて訪日しています。初来日者は約13%、リピーターは約87%を占めています。8月中旬に台風の影響があったものの、航空座席数の増加やスクールホリデーが客数を押し上げました。
- 米国: 8月の入国者数は19万4,500人で、前年同月比11.7%増。訪日ピークシーズンは桜(3月)、夏休み(6月)、紅葉(10月)の時期に増加する傾向があります。初来日者は約60%で、リピーターは約40%を占めています。スクールホリデーや直行便の増加により、8月として過去最高を記録しました。
- 香港: 8月の入国者数は22万6,100人で、前年同月比8.3%増。訪日ピークシーズンは夏休みシーズンである7月と12月でFIT(個人手配旅行)が中心です。初来日者は約10%と非常に少なく、リピーターは約90%を占めています。8月は台風やSNSでの地震情報拡散があったものの、客数は増加しました。
訪日外国人旅行消費額の動向
2024年の訪日外国人旅行消費額(速報)は、2023年比で53.4%増、2019年比では69.1%増の8兆1,395億円と推計されています。
消費額を国籍・地域別に見ると、中国が1兆7,335億円(構成比21.3%)で最も多く、次いで台湾、韓国、米国、香港と続きます。これら上位5カ国・地域で全体の65.7%を占めています。
費目別の構成比では、宿泊費が33.6%で最も多く、次いで買物代(29.5%)、飲食費(21.5%)の順でした。2023年と比較して、買物代の構成比が増加しています。
また、一人当たりの旅行支出を見ると、中国が11万9千円と突出して高い買物代を支出している一方、英国(17万円超)やオーストラリア(16万円超)は宿泊費が高い傾向にあります。
インバウンド最新ニュース
1. 訪日再訪意向が世界でTOPに
世界20地域・20〜59歳17万2,400人を対象にした「ジャパンブランド調査2025」によると、日本は「再び訪れたい国」として支持され、再訪意向率は52.7%で世界1位(3年連続上昇)となりました。
2023年30.6%→2024年34.6%→2025年52.7%と大幅に伸長し、観光地強化に加え「食」「自然」「四季・文化」など新たな魅力が浮き彫りになっています。
訪日消費ではコンビニ利用が人気で、寿司(46.9%)、アイスクリーム(45.1%)などが上位。ドラッグストアではスキンケア(45.9%)、メイクアップ(38.7%)が購入意向の高い商品でした。和菓子(43.1%)、チョコレート菓子(41.4%)などお土産の購入意向も高くなっています。
- 食や日本製品の魅力が訪日意欲を押し上げ
- アジア・北米・豪州からの支持は拡大傾向、欧州・中東からの順位はやや後退
2. 世界144兆円規模に成長!アドベンチャートラベル最新トレンド
Adventure Travel Trade Association(ATTA)の最新調査によると、世界のアドベンチャートラベル市場は過去最大の9,660億ドル(約144兆円)に拡大。旅行者の志向・スタイルの多様化が鮮明になっています。
- 海外旅行者の67%が「アドベンチャートラベルに関心あり」
- 旅行の主目的として選ぶ層も30%→40%へ拡大
- 旅行者タイプ:アドベンチャー重視派(14%)、自然愛好家(12%)、文化体験派(27%)、バランス型(14%)
- 平均滞在日数11日、1人あたり支出は約44万円、サステナブルな行動も浸透
これらのデータは、インバウンドマーケティングにおいて、プロモーションのタイミングや内容を戦略的に検討する重要性を示唆しています。
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