今回は、日本政府観光局(JNTO)が発表した最新の調査資料に基づき、2025年4月の訪日外国人入国者数の推移と、それに伴うインバウンド市場の動向について詳しく解説します。過去最高の入国者数を記録した今、日本のインバウンド市場は新たなステージへと進んでいます。
2025年4月 訪日外国人入国者数、単月で過去最高を記録
2025年4月の訪日外客数は、3,908,900人となり、前年同月比で28.5%増を記録しました 。これは、2025年1月に記録した3,781,629人を上回り、単月としては過去最高を更新 。初めて390万人を突破する快挙となりました 。
この大幅な増加の背景には、春の桜シーズンによる訪日需要の高まりに加え、アジアの一部市場や欧米豪市場でのイースター休暇が挙げられます 。特に、東アジアでは中国、香港、欧米豪では米国、豪州からの訪日外客数が顕著に増加し、全体の押し上げ要因となりました 。
国籍別に見る入国者数:多様化する訪日需要
2025年4月の国籍別入国者数を見ると、カナダや英国を含む10市場で単月過去最高を更新 。さらに、韓国、中国、シンガポールなど11市場では4月として過去最高を記録しています 。
国・地域 | 2025年4月 訪日外客数 | 割合 |
---|---|---|
中国 | 765,100人 | 19.6% |
韓国 | 721,600人 | 18.5% |
台湾 | 537,600人 | 13.8% |
米国 | 327,500人 | 8.4% |
香港 | 263,600人 | 6.7% |
タイ | 158,500人 | 4.1% |
豪州 | 115,200人 | 2.9% |
フィリピン | 91,000人 | 2.3% |
カナダ | 72,600人 | 1.9% |
COVID-19拡大以降、航空・旅行業界の人手不足や旅行費用の高騰といった課題があるものの 、円安傾向の継続が訪日旅行の大きな後押しとなっていると推測されます 。
国籍別 前年同月比増加率上位国(2025年4月)
特に注目すべきは、前年同月比での増加率です。ロシアが216.82%増、スペインが206.84%増と、欧州からの伸びが際立っています 。
国・地域 | 2024年4月 | 2025年4月 | 前年比増加率 |
---|---|---|---|
ロシア | 10,700人 | 23,200人 | 216.82% |
スペイン | 11,700人 | 24,200人 | 206.84% |
メキシコ | 11,800人 | 21,800人 | 184.75% |
イタリア | 24,900人 | 45,600人 | 183.13% |
北欧地域 | 13,000人 | 22,800人 | 175.38% |
インド | 23,200人 | 37,300人 | 160.78% |
ドイツ | 36,000人 | 57,200人 | 158.89% |
英国 | 48,400人 | 69,500人 | 143.60% |
米国 | 228,900人 | 327,500人 | 143.08% |
訪日外国人消費動向調査:消費額は中華圏が牽引、費目別では「買物代」が増加
2024年の訪日外国人旅行消費額(速報)は、2023年比53.4%増、2019年比69.1%増の8兆1,395億円と推計されています 。
国籍・地域別では、中国が1兆7,335億円(構成比21.3%)と最も多く、次いで台湾、韓国、米国、香港が続きます 。これら上位5カ国・地域で全体の65.7%を占めており、中華圏の消費力が依然として市場を牽引していることがわかります 。
費目別では、宿泊費が33.6%と最も多く、次いで買物代(29.5%)、飲食費(21.5%)の順となっています 。2023年に比べ、買物代の構成比が増加しており、訪日外国人の消費行動に変化が見られます 。
一人当たりの旅行支出を見ると、全体で223,540円(前年比+9.6%) 。買物代は中国が11万9千円と突出して高く、消費額全体を押し上げています 。
インバウンド市場の新たなトレンドと展望
今回の調査から、訪日外国人観光客は単なる数だけでなく、その行動や消費傾向が多様化していることが明らかになりました。特に注目すべきは以下の点です。
- 欧米豪市場の伸長:円安の恩恵を受け、欧米豪からの訪日客が増加しており、一人当たりの消費額も高い傾向にあります 。特に米国市場では、宿泊費・航空券の割安感が日本人気を後押しし、神戸のような地方都市への注目も高まっています 。
- 中国市場の質の変化:中国からの訪日客は、かつての「爆買い」中心から、地方志向や体験重視へとシフトしています 。宿泊や娯楽への支出が増加しており 、今後は地方の魅力発信と受け入れ体制の強化がさらに重要となるでしょう 。
- 多様な旅行形態:多くの国・地域で個別手配旅行の割合が高く、リピーターが多い傾向にあります 。これにより、よりパーソナルな体験や地方への誘致が求められています。
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