外国人旅行客が増加する中で特に注目が集まっているのが台湾です。
親日国としても有名な台湾は各種調査でも今年に入って出国規制や入国・帰国時の行動制限等があるものの、日本の水際規制緩和、台湾側の入境後の PCR 検査廃止や検疫義務の廃止・海外団体旅行禁止措置の撤廃の影響等もあり、10月の入国者数は 35,000 人と昨年の同月425人を大きく上回り、多くの地方自治体でも期待が高い国となっております。
そんな各自治体が積極的に取り組む台湾向けのインバウンド施策とはなんでしょうか?
本記事では、各自治体が行った施策を調査し参考にしたい企業事例を厳選してご紹介いたします。訪日顧客(インバウンド)を対象に外国人インフルエンサーを起用した事例など今後重要になると思いますのでぜひ参考にしてみてください。
広島県観光連盟
フォロワー30万人 台湾出身のインフルエンサー 観光大使 広島の情報を発信
SNSで情報を発信している台湾出身のインフルエンサーに対して広島の観光大使に認定をいたしました。「ひろしま観光大使」に認定されたのは、台湾出身の林日日(リンリーリー)さんと3歳の甜甜圈(テンテンチャン)ちゃんです。林日日さんは、趣味で始めたキャラクター弁当などをSNSで発信したことをきっかけにフェイスブックで人気を集め、SNSの総フォロワー数は30万人を超えるインフルエンサーです。
ポイント
- 6年前まで住んでいた広島を今でも定期的に訪れているクリエイターを起用
- 費用を払わない魅力発信投稿(自然投稿)の増加が見込めます。
- 認定することでクリエイターが投稿に対して、一定の配慮が発生しネガティブ投稿などを抑制できる。
山口県長門市
インバウンド回復のカギは台湾・・・山口県長門市の魅力をPR
長門市では、10月の水際対策緩和を受け、インフルエンサーを起用し魅力を動画で発信しようとしました。そこで、台湾出身インフルエンサー・マチさんに依頼することとなりました。
記事によると、「マチさんは、大学卒業後、日本に移住しました。現在は、東京の企業に勤めながらSNSで日本の文化や観光地の魅力を発信しています。」とのことで日本在住のクリエイターであることがわかります。『在住インフルエンサー』の起用ではコスト面を抑えつつ目的のターゲット国にリーチすることが可能なため大変効果的な施策と考えます。
ポイント
- 事前に台湾出身の人に市内をめぐってもらい観光ルートを作成
- インフルエンサーに台湾の人に魅力的な『観光ルート』紹介動画を作成依頼
- 在住インフルエンサー起用にてコストカット
- 第三者的意見での発信
- 協議会では12月中旬、台湾の旅行会社5社とオンラインで商談会を計画とのこと
→インフルエンサーの動画が商談のキーとなるのではと考えます。
岡山県観光課
台湾インフルエンサーが岡山をPR インバウンド旅行客を呼び込もうと県が企画
岡山をPRするために県が企画し実施は3年ぶりとのこと、
岡山城を中心に台湾のインフルエンサーや旅行サイトの記者を合わせて4名に依頼しました。
海外でも旅行の参考にするSNSでは上位となるYoutubeに目をつけYoutuberを起用し観光地の多言語対応や魅力を発信しました。
記事内では台湾のYoutuberの発言として下記記載がございます。
「(展示が)多言語に対応しているので、城の歴史についても知ってもらえます。もし直行便があれば、アクセスがいいし、台湾の人は岡山に来る意欲も高くなると思う」
ポイント
- 水際緩和タイミングですぐに企画実行し投稿することで関心意欲が高い状態で訴求
- 現地メディアとも連携をとることでメディア露出増加、地域創生に貢献
- 旅行先の参考にするSNSとして上位のSNSからYoutuberを起用
- 動画訴求により、個人旅行客を想定した個人旅行の疑似体験を演出
おおいたノースエリア連携協議会
県北3市、台湾出身インフルエンサーとタッグ 動画で魅力紹介、訪問増狙う
宇佐、中津、豊後高田3市などでつくる「おおいたノースエリア連携協議会」では台湾をターゲットに魅力発信に力を入れており、水際対策緩和での回復を見越して台湾出身のインフルエンサーに3市の観光名所を動画で紹介してもらい、訪問増につなげる施策を実施しました。
起用インフルエンサーは台湾・香港地域にフォロワーが多い呂憶絹(ル・イチェン)さん。
動画は呂さんが気になる場所として事前に選んだ3市の計11カ所を訪ね制作することとなり、この様子を3市ごとに制作し、いずれも15分程度となっています。また10月中に呂さんのアカウントでYoutubeに投稿しました。
ポイント
- 旅行先の参考にするSNSとして上位のSNSからYoutuberを起用
- 動画訴求により、個人旅行客を想定した個人旅行の疑似体験を演出
- 宇佐、中津、豊後高田3市で動画作成することでコストカットしたと思われます。
- 各市のPR動画を市で管理し3市を統合したテーマでクリエイターのアカウントで発信
長崎県、長崎市、大村市、五島市の後援で進める「バチカンと日本 100年プロジェクト
中国・台湾・韓国・英国出身の女性インフルエンサーが、それぞれの感性で “長崎の魅力” を世界に発信!
五島市を含む長崎のカトリック関連遺産と自然を体験できるファムトリップ※(モニターツアー)を近畿日本ツーリスト(KNT)と連携し、さらに海外・インバウンドを支援するENGAWA(株)の協力のもと実施した事例です。
ファムトリップ(FAMトリップ)とは観光地の誘致促進のため、インフルエンサー、メディアなどに現地を視察してもらうツアーのことを指します。Familiarization Trip(ファミリアライゼーション トリップ) の略。 インバウンド向けのサービスを外国人の目線で体験後、海外旅行事業の関係者やブログなどで外国人観光客向けに実際に体験したツアーやサービスの生の声を発信してもらう観光プロモーションになります。
日本国内在住の外国人女性インフルエンサーを起用し(中国・台湾・韓国・英国)実際に体験した長崎・五島の魅力をSNSで自国に発信してもらい、インバウンド需要を高める狙いとなっています。
ポイント
- ファムトリップ形式で起用
- 日本国内在住インフルエンサーを複数国で起用
- 旅行代理店と連携
- YouTube、Instagram、Weiboと複数SNSを活用し投稿
まとめ
いかがでしたでしょうか。2022年に実施されたインバウンド事例を5つご紹介させていただきました。外国人のインフルエンサーを活用などインバウンド誘致目的での施策や海外SNSを通じた施策などの参考になれば幸いです。
また、ENGAWAでは訪日需要に向けたプロモーションを多く実施しており、
今回の誘致目的のインバウンド施策以外にも外国人インフルエンサーを活用した事例など多くございます。旅行先、施設を海外に向けて紹介・発信してほしいといったことをご検討していればぜひご相談くださいませ。
また、最後にご紹介させていただいた長崎県の事例では実は弊社も施策に関わっておりますので、興味などございましたら是非!