政府は10月11日から国内旅行支援策「全国旅行支援」を開始、また同日より訪日外国人の受入れ制限を大幅に緩和しました。新型コロナウィルスの感染拡大により落ち込んでいた国内旅行需要回復の起爆剤となることが期待されます。
今回は、このような背景がある中で、観光庁から公表された「旅行・観光消費動向調査2022年4-6月期（速報）」をご紹介いたします。
日本人国内旅行消費額
2022年4-6月期の日本人国内旅行消費額（速報）は4兆4,190億円と2019年同期比26.3％減、前年同期比138.1％増となりました。内訳は、宿泊旅行消費額が3兆4,364億円（2019年同期比24.5％減、前年同期比173.1%増）、日帰り旅行消費額が9,827億円（2019年同期比31.8%減、前年同期比64.5%）でした。
日本人国内延べ旅行者数、日本人国内旅行の1人1回当たり旅行支出（旅行単価）
2022年4-6月期の日本人国内延べ旅行者数（速報）は1億1,722万人と2019年同期比28.6％減、前年同期比89.3%増となりました。内訳は、宿泊旅行が6,198万人（2019年同期比25.9%減、前年同期比111.6%増）、日帰り旅行が5,524万人（2019年同期比31.4%減、前年同期比69.3%増）でした。また、2022年4-6月期の日本人国内旅行の1人1回当たりの旅行支出（旅行単価）（速報）は37,697円/人と2019年同期比3.2%増、前年同期比25.8%増となりました。宿泊の有無で見ると、宿泊旅行が55,442円/人（2019年同期比1.8%増、前年同期比29.1%増）、日帰り旅行が17,788円/人（2019年同期比0.7%減、前年同期比2.8%減）でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。各指標とも、コロナ禍前2019年同期比の減少幅は縮小し、前年同期からは大きく上回りました。特に、旅行単価については、2019年を上回る結果となりました。新型コロナの感染拡大からおよそ2年半が経過し、最後のまん延防止等重点装置が今年3月に全県で解除され、本格的に国内旅行が回復していることが裏付けられる結果となります。10月11日から開始された「全国旅行支援」、訪日外国人の受入れ制限の緩和は、国内旅行業界にとって更なる追い風になると考えられます。
回復する日本人の旅行需要、受入れ制限の緩和・円安による外国人旅行者の増加が想定される中、今一度各地域、各事業者の保有する旅行・観光資産を精査し、旅行者への訴求強化を図る施策を実施する絶好の機会が訪れているのではないでしょうか。
出典：観光庁「旅行・観光消費動向調査2022年4-6月期（速報）」
