2026年2月版:訪日外国人入国者数の推移調査

日本政府観光局(JNTO)の調査資料に基づき作成した「訪日外客数の推移調査(2026年2月)」の概要をご紹介します。

2026年2月の訪日外客数は3,466,700人となり、前年同月比6.4%増で、2月として過去最高を更新しました。前年は1月下旬であった旧正月(春節)が2026年は2月中旬となり、東アジアを中心に旧正月に合わせた旅行需要の高まりが押し上げ要因となっています。

本記事では、最新データをもとに日本全体および国・地域別の動向を整理し、2026年のインバウンド市場の動きを読み解きます。

目次

日本全体の訪日外国人入国者数推移

2月は欧州を中心に訪日旅行のローシーズンとなる中、旧正月(春節)が前年の1月下旬から2月中旬へ後ろ倒しとなったことで、東アジアを中心とした旧正月需要が今月の押し上げ要因となりました。加えて、ウィンタースポーツ需要の高まりや航空座席数の増加も追い風となり、韓国、台湾、米国など18市場で2月として過去最高を記録しています。

なお、1月は旧正月の時期ずれにより前年同月比4.9%減となっていたことから、1〜2月累計で見ると前年同期をほぼ横ばいで推移しており、旧正月の暦上の移動による月間変動が大きく影響していることがうかがえます。

国・地域別の訪日外国人入国者数

2026年2月は、旧正月の時期が前年より後ろ倒しとなった影響を受け、東アジア市場で大きな伸びが見られました。一方、欧米豪市場ではウィンタースポーツ需要や継続する訪日旅行人気を背景に、複数市場で2月として過去最高を更新しています。

市場ごとの増減を見ると、「旧正月時期」「航空座席数」「季節需要」「経由便の多様化」が主な変動要因となっています。

上位主要国・地域の訪日外客数は以下の通りです。

  • 韓国:1,086,400人(前年同月比28.2%増)
  • 台湾:693,600人(前年同月比36.7%増)
  • 中国:396,400人(前年同月比45.2%減)
  • 香港:233,900人(前年同月比19.6%増)
  • 米国:219,700人(前年同月比14.7%増)

それでは、国・地域別の詳細な動向を見ていきましょう。

  • 韓国:2月の訪日外客数は1,086,400人(前年同月比28.2%増)。継続する訪日旅行人気に加え、旧正月が2月中旬となったこと、仁川〜成田間・仁川〜福岡間の増便やスクールホリデーの影響もあり、2月として過去最高を記録しました。1〜2月累計では2,262,400人(前年同期比24.7%増)と、引き続き最大市場としての存在感を示しています。
  • 中国:2月の訪日外客数は396,400人(前年同月比45.2%減)。旧正月が2月中旬となったことによる押し上げ効果はあったものの、中国政府より日本への渡航を避けるよう注意喚起があったことに加え、航空便の減便の影響もあり、前年同月を大きく下回りました。1〜2月累計では781,700人(前年同期比54.1%減)と、厳しい状況が続いています。
  • 台湾:2月の訪日外客数は693,600人(前年同月比36.7%増)。根強い訪日旅行人気と旧正月の時期移動、台北桃園〜那覇間の増便やスクールホリデー・3連休の影響もあり、2月として過去最高を更新しました。
  • 米国:219,700人(前年同月比14.7%増)。ウィンタースポーツ需要の高まりや継続する訪日旅行人気を背景に、2月として過去最高を記録しました。1〜2月累計では427,500人(前年同期比14.3%増)と、堅調な成長が続いています。
  • 香港:2月の訪日外客数は233,900人(前年同月比19.6%増)。旧正月が2月中旬となったことや航空座席数の増加を背景に、2月として過去最高を記録しました。

訪日外国人旅行消費額の動向

2025年の訪日外国人旅行消費額(速報)は9兆4,559億円と推計され、2024年比で16.4%増となり、過去最高を更新しました。訪日客数の増加に加え、一人当たりの支出額が高水準で推移していることが、消費額全体の拡大につながっています。

国籍・地域別消費額

国籍・地域別では、中国が2兆26億円(構成比21.2%)で最も多く、台湾、韓国、米国、香港が続いています。全体消費額の約65%を占めており、上位市場が安定的に消費を支えている構造がうかがえます。

費目別消費額

費目別では、宿泊費が36.6%、買物代が27.0%、飲食費が21.9%の順となりました。宿泊費の構成比は増加傾向にあり、長期滞在や高付加価値な宿泊体験を選択する旅行者の増加が示唆されます。

一人当たり旅行支出

2025年の訪日外国人一人当たり旅行支出は22万9千円となりました。国・地域別に見ると、以下の市場が各費目で最も高い支出額を記録しています。

  • 宿泊費:英国(19万3千円)
  • 娯楽等サービス費:オーストラリア(3万5千円)
  • 買物代:シンガポール(10万1千円)

欧米豪市場では宿泊費や体験型消費への支出が高い一方、アジア圏では引き続き買物需要の比重が高い傾向が見られます。

まとめ

2026年2月の訪日外客数は3,466,700人で2月として過去最高を更新し、18市場が2月過去最高を記録しました。旧正月の暦上の移動により、東アジア市場では顕著な押し上げ効果が見られた一方、中国市場は渡航注意喚起や減便の影響で引き続き厳しい状況にあります。

注目すべきは、ローシーズンにもかかわらず欧州全市場が過去最高を更新したことです。ウィンタースポーツ需要、経由便の多様化、若年層の訪日関心の高まりなど、複合的な要因がこの成長を支えています。

インバウンドマーケティングにおいては、祝日カレンダーに応じたプロモーション設計はもちろん、市場ごとの構造的変化を的確に捉え、「どの市場に、どの価値を、どのタイミングで届けるか」を戦略的に設計することが、今後ますます重要となるでしょう。

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