2025年、日本の観光市場は大きな転換点を迎えました。観光庁の最新速報によると、2025年暦年の訪日外国人旅行消費額は前年比16.4%増の9兆4,559億円となり、過去最高を大幅に更新しています。
パンデミックからの回復局面を超え、インバウンド市場は「10兆円市場」が視野に入りつつあります。本記事では、消費拡大の背景や国別の特徴、費目別の変化を整理し、2025年のインバウンド最新動向を読み解きます。
1. 市場規模の概況:総額9.5兆円、1人あたり22.9万円
2025年のインバウンド市場は、量・質の両面で拡大が続いています。
- 旅行消費総額:9兆4,559億円(前年比16.4%増)
- 訪日外国人(一般客)1人当たり旅行支出:22万9,000円(前年比0.9%増)
訪日外国人(一般客)は前年比15.5%増の4,113.5万人(クルーズ客除く)と大きく伸長しており、総額増加の主因となりました。一方で、1人当たり支出も高水準を維持していることから、日本旅行が「価格」だけでなく「体験価値」で選ばれている傾向がうかがえます。
2. 国籍・地域別消費:中国市場の「2兆円」到達と上位集中
国籍・地域別の消費額を見ると、上位5カ国・地域で全体の62.2%を占めており、主要市場への集中構造が続いています。
| 順位 | 国籍・地域 | 消費額 | 構成比 |
| 1位 | 中国 | 2兆26億円 | 21.2% |
| 2位 | 台湾 | 1兆2,110億円 | 12.8% |
| 3位 | 米国 | 1兆1,241億円 | 11.9% |
| 4位 | 韓国 | 9,864億円 | 10.4% |
| 5位 | 香港 | 5,613億円 | 5.9% |
特に注目されるのが中国市場の回復です。単一国で2兆円を超える規模となり、依然として最大の消費源泉となっています。
また、米国が1.1兆円規模に到達するなど、東アジアに加えて欧米圏からの安定した需要が市場全体の底上げに寄与している点も重要な変化といえるでしょう。
3. 消費の内訳:「モノ」から「体験」へのシフトが進行
費目別構成比からは、訪日旅行における支出構造の変化が明確に見て取れます。
- 宿泊費:36.6%(3兆4,617億円) ※最多
- 買物代:27.0%(2兆5,490億円)
- 飲食費:21.9%(2兆711億円)
- 交通費:10.0%
- 娯楽等サービス費:4.5%
前年と比較して宿泊費および飲食費の構成比が上昇しました。これは、従来の土産購入中心の「モノ消費」から、宿泊体験や食体験といった「コト消費」へのシフトが進んでいることを示唆しています。
特に宿泊費が最大費目となっている点は、今後の観光戦略を検討する上で重要な示唆といえます。
4. 国別支出の特徴:高単価を牽引する欧米豪市場
総消費額ではアジア圏が大きな存在感を示す一方、1人当たり旅行支出では欧米豪市場の高さが際立っています。
1人当たり旅行支出(一般客)上位
- ドイツ:39万4,000円
- 英国:39万0,000円
- オーストラリア:39万0,000円
観光・レジャー目的に限定すると、ドイツ(41.8万円)、オーストラリア(40.7万円)と、40万円台に到達しています。
項目別トピックス
- 宿泊費:英国が19万3,000円で最高水準。長期滞在かつ高付加価値宿泊への志向が見られます。
- 娯楽等サービス費:オーストラリアが3万5,000円と高く、体験型アクティビティ需要の強さがうかがえます。
- 買物代:シンガポールが10万1,000円と高水準で、東南アジア富裕層の購買力の高さが確認できます。
5. まとめ:拡大する市場と今後の戦略示唆
2025年のデータは、日本が「選ばれる観光地」として着実に市場規模と単価の双方を伸ばしていることを示しています。とりわけ、中国市場の回復と欧米豪市場の高単価化は、今後のインバウンド戦略において重要な示唆を与えています。
今後さらなる成長を実現するためには、宿泊・飲食・体験といった高付加価値領域の強化に加え、地方への分散周遊を促進する施策設計が一層重要性が高まっていくと考えられます。
出典
本記事の数値は、「観光庁ホームページ「訪日外国人旅行消費額調査(2025年暦年・速報)」に基づいて作成しています。
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