2024年11月版:インバウンド訪日外国人入国者数の推移調査

2024年11月の訪日外国人客数について、日本政府観光局(JNTO)が公開した調査データを基に、最新の動向をお届けします。本記事では、11月の記録的な入国者数の背景とその要因、さらには国別の入国者傾向や観光消費動向を詳細に解説します。

目次

2024年11月の訪日外国人数

2024年11月、日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2024年11月の訪日外国人客数は3,187,000人となり、前年同月比で30.6%増、2019年同月比でも30.5%増を記録しました。この数値は11月として過去最高です。さらに、2024年1月から11月までの累計訪日外国人客数は33,379,900人に達し、過去最高だった2019年の年間累計を上回りました。

増加の背景

このような急増の背景には、航空便数が2019年レベルまで回復したことや、紅葉シーズンの観光需要が挙げられます。特に中国、韓国、台湾、米国からの訪日需要が高まり、観光客数の押し上げに寄与しました。

航空便数の回復

2024年の冬ダイヤでは、航空便数が新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の2019年レベルに回復しました。これにより、主要な観光市場である中国、韓国、台湾、米国をはじめとする多くの国からの訪日旅行が促進されました。特に地方空港へのチャーター便や増便が地方観光の需要を押し上げています。

紅葉シーズンによる観光需要の増加

日本の秋の紅葉シーズンは、世界中の旅行者にとって非常に魅力的です。特に、中国、台湾、韓国では、日本各地での紅葉観光ツアーが人気を集め、訪日需要の高まりに繋がりました。また、SNSを活用したプロモーションが効果を発揮し、訪日観光への関心をさらに引き上げました。

国別の訪日需要

  • 中国: 紅葉観光とショッピング需要が重なり、観光客数の大幅な増加に寄与しました。
  • 韓国: チャーター便や地方路線の拡充が効果を上げ、11月として過去最高の訪日者数を記録。
  • 台湾: 高いリピート率を誇り、秋の紅葉観光の需要が好調。
  • 米国: 個別手配旅行(FIT)が主流となり、安定的な増加を続けています。

主要市場別の動向

国別に見ると、次のような増加が見られます。

  • 東アジア:
    韓国、台湾、香港は、日本各地へのチャーター便や地方路線の増便が奏功し、11月として過去最高の入国者数を記録しました。
  • 東南アジア:
    シンガポール、インドネシア、ベトナム、タイなどでは、海外旅行需要の高まりや経由便の利便性向上が影響し、記録的な伸びを見せました。
  • 北米・豪州:
    米国やオーストラリアからの入国者数も11月として過去最高。長期滞在を伴う観光需要が増加しています。

訪日外国人の消費動向:経済への影響

総消費額とその構成

2024年4–6月期の訪日外国人の旅行消費額は2兆1,370億円に達しました。これは前年同期比で73.5%増、2019年同期比では68.6%増という結果です。

  • 国別消費額の内訳
    • 中国:4,420億円(最大)
    • アメリカ:2,781億円
    • 台湾:2,639億円
    • 韓国:2,232億円
    • 香港:1,743億円

消費額の構成比では、宿泊費が33.0%で最多、次いで買物代(31.1%)、飲食費(21.8%)となっています。特に、買物代の構成比が前年同期と比較して増加しており、日本製品への需要が高まっていることが伺えます。

1人当たりの旅行支出

訪日外国人1人当たりの旅行支出は23万9千円と推計されていますが、国籍によって大きな違いがあります。

  • フランス:41万8千円(最多)
  • イギリス:41万7千円
  • オーストラリア:40万円

欧米豪の観光客が高額な体験や商品に投資している一方、アジア圏の観光客は効率的な消費を行う傾向が見られます。

季節と国ごとの訪問傾向

市場によって季節ごとの需要が異なります。エリア・国別にそれぞれの訪問傾向は以下の通りです。

東アジア市場

  • 中国:7~8月の夏季が最盛期。リピーター率は50%で、新規訪問者も多い。
  • 台湾:紅葉シーズン(10月)や夏季(5~8月)が人気。台風の影響がある年もあるが、観光客数は安定的に推移。
  • 韓国:冬季(12月~2月)が最盛期で、リピーター率は80%以上と非常に高い。

欧米市場

  • アメリカ:紅葉(10月)、桜(3月)シーズンの訪問が多い。7~13日間の滞在が一般的。
  • フランスやイギリス:高級和食や地方観光への関心が高く、滞在中の消費額も高い。

東南アジア市場

  • シンガポール:12月の冬季が最盛期。滞在期間は長く、買い物や観光をじっくり楽しむ傾向。
  • タイやベトナム:タイの4月のソンクラン(旧正月)や特定の祝祭シーズンに増加。

それぞれの市場の祝日や観光シーズンなどを確認して、時期に合わせたプロモーションやサービスの施策を打っていくことが重要です。

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今後の対策

2024年12月以降、スキーや温泉地といった冬季観光需要の高まりが予想されます。また、各地方自治体や観光業界によるプロモーション活動の強化が、さらなる観光客誘致に寄与する見通しです。

特に地方観光地では、チャーター便や新規航空路線の拡充が進む中、訪日外国人の地域分散が重要なテーマとなっています。この傾向は、地域経済の活性化や観光地の持続可能性を高めるために欠かせない取り組みといえるでしょう。

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