コロナ禍からの回復後、訪日外国人客数は急速に増加しており、2025年はさらに効果的な施策が求められています。本記事では、最新の訪日外国人客数データを基に、成功事例を交えながら、インバウンド集客施策の最適な方法をご紹介します。インバウンド集客に力を入れたいけれど何から始めたらいいのか分からないという方でも、自社のプロモーション戦略に役立てていただける内容となっています。
訪日外国人客数の推移
2024年の訪日外国人客数データ
2024年10月の訪日外国人旅行者数は、2019年比で32.7%増の331万2000人となり、単月での過去最高を更新しました。1〜10月の累計では、2019年比12.2%増の約3019万2600人を達成し、1964年の統計開始以来、最速で年間累計3000万人を突破しました。さらに、同年1〜9月の訪日外国人旅行消費額は5.8兆円に達し、過去最高額となった2023年の年間記録を9月の時点で上回りました。
過去5年間の推移と分析
過去5年間の訪日外国人客数を振り返ると、徐々に回復基調が見られます。特に2023年以降は、コロナ禍からの復興による急増が顕著です。地域別では、韓国や米国からの訪日客が大幅に増加しており、中国からの訪日客は20.2%減少しました。2024年は1人当たりの旅行支出は平均23万9千円と推計されており、国籍別ではフランスが41万8千円と最も高く、次いで英国が41万7千円、オーストラリアが40万円となっています。
これにより、訪日外国人の消費は質・量ともに向上しており、観光業界にとって大きな追い風となっています。
SNSを活用したインバウンド向け施策
中国SNSの違いと活用法
中国市場向けのSNS活用は、中国独自のプラットフォームを理解することが重要です。WeChatやWeibo、REDなど、中国特有のSNSを活用することで、効果的に中国人観光客にアプローチできます。例えば、WeChatでは公式アカウントを運用し、最新情報やキャンペーン情報を発信することで、フォロワーとのエンゲージメントを高めることが可能です。また、人気の動画プラットフォームDouyin(中国版TikTok)を活用したプロモーションも効果的です。EC機能やライブコマースなど、プラットフォームの機能も多様化していますので、各プラットフォームの特徴とユーザーのリアルを理解することで効果的なプロモーションを行うことが可能になります。
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海外SNSのトレンド
欧米豪市場向けには、Instagram、YouTube、TikTok、Facebookなどが主要なSNSプラットフォームとして活用されています。特に、ビジュアルコンテンツや動画コンテンツの需要が高まっており、これらのプラットフォームを通じた視覚的なアプローチが有効です。インフルエンサーマーケティングを取り入れることで、信頼性の高い情報を発信し、ターゲット層への認知拡大が期待できます。
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訪日プロモーションの最適タイミング
シーズンごとの訪日外国人動向
訪日プロモーションを行う際には、シーズンごとの訪日外国人の動向を把握することが重要です。例えば、春の桜シーズンや秋の紅葉シーズンは外国人観光客がピークを迎える時期であり、このタイミングでのプロモーション活動が効果的です。また、夏休みやクリスマスのホリデーシーズンなどの長期休暇の時期も訪日客数が増えることが見込まれるため、特別なキャンペーンやイベント、広告等のプロモーション施策などを実施することで集客効果を最大化できます。
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イベントやフェスティバルとの連動
地域で開催されるイベントやフェスティバルと連動したプロモーション活動も有効です。例えば、伝統的な祭りや国際的なスポーツイベントとタイミングを合わせたキャンペーンを展開することで、訪日外国人の関心を引きつけやすくなります。毎年2月に開催される札幌の雪まつりが良い例です。地域特有の文化や魅力を強調することで、他の観光地との差別化を図ることができます。
コンテンツマーケティングのポイント
効果的なコンテンツ制作方法
効果的なコンテンツ制作には、訪日外国人の興味関心を引く情報を提供することが重要です。例えば、日本の伝統文化や最新のトレンド、グルメ情報など、多岐にわたるテーマを取り上げることで、幅広い層にアピールできます。その中で、狙いたい市場の文化やトレンドを把握し、読者に理解しやすいようネイティブ視点でコンテンツを制作することが大切です。また、多言語対応のコンテンツを用意することで、より多くの外国人観光客に情報を届けることが可能です。動画コンテンツやインタラクティブコンテンツの活用も効果的です。
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インバウンド集客のデジタルマーケティング施策
インバウンド集客におけるデジタル戦略
多言語対応のウェブサイトやSNSアカウントを通じて、訪日外国人に向けた情報発信を行うことはインバウンド集客にとって必須となります。また、検索エンジン最適化(SEO)を施すことで、検索結果上位に表示されやすくなり、集客力を高めることができます。さらに、オンライン広告やリターゲティング広告を活用することで、ターゲット層へのアプローチを強化できます。
店舗や施設、宿泊施設等のプロモーションを検討している場合は、Googleマップを活用したMEO施策も効果的です。Googleマップは月間アクティブユーザー数が10億人以上で、旅先でマップ上で検索して目的地を決める人は増えています。自動翻訳機能もついているので、記載内容や口コミも多言語に対応できます。
SEO対策とオンライン広告の活用
SEO対策では、メインキーワードやサブキーワードを効果的に盛り込んだコンテンツを作成することが重要です。具体的には、キーワードリサーチを行い、ユーザーが検索しそうな語句を盛り込みながら、自然な文章で情報を提供します。とはいえSEO対策では、細かなテクニックよりも記事のクオリティが最重視されるので、オリジナリティがあり、読者に役立つ記事の制作を心がけましょう。また、Google広告やソーシャルメディア広告を活用することで、特定のターゲット層にリーチしやすくなり、集客効果を高めることが可能です。
訪日向けデジタルマーケティング成功事例の紹介
化粧品会社の海外向けYouTubeマーケティング:
現地のインフルエンサーを起用した商品紹介動画を制作し、約78万回の視聴を獲得しました。動画の概要欄に商品販売ページのリンクを設置することで、視聴者の購買行動を促進しています。
メディアの多言語展開:
既存の日本向けYouTubeコンテンツに英語字幕をつけて海外向けに配信し、人気モデルのメイク動画の再生数は150万回以上を達成。
和食レストランの中国向けプロモーション施策:
中国の人気SNS、Weiboを活用し、訪日中国人の獲得に成功しました。実際に来店したお客様からの投稿・拡散も増え、効果的なプロモーションに。
地方旅館のFacebook施策:
宿泊プラン、施設紹介、周辺観光情報など多様なコンテンツを伝わりやすい文章と美しい写真を組み合わせて投稿した結果、1.5万件以上のいいねと1.5万人のフォロワーを獲得。
これらの事例から、適切なSNSプラットフォームの選択、多言語対応、魅力的なコンテンツ制作、そして継続的な運用が成功の鍵となっていることがわかります。
インバウンド向けデジタルマーケ施策の実施ステップ
インバウンド集客施策を成功させるためには、まず現状のデータを分析し、自社に最適な施策を選定することが重要です。次に、デジタルマーケティングの各手法をバランスよく取り入れ、多言語対応の強化やSNS活用を進めましょう。また、施策前後のデータを比較し、自社のプロモーション戦略を継続的に見直し、改善を図ることが求められます。具体的なステップとしては、以下の点を実施してみてください。
- データ分析の実施: 最新の訪日外国人客数データを活用し、ターゲット市場を明確化する。
- 多言語対応の強化: ウェブサイトやSNSアカウントを多言語で運用し、幅広い層にアプローチする。
- インフルエンサーマーケティングの導入: 信頼性の高いインフルエンサーを起用し、認知度を向上させる。
- コンテンツ制作の工夫: ビジュアルや動画コンテンツを積極的に活用し、魅力的な情報を提供する。
- デジタル広告の最適化: SEO対策やオンライン広告を活用し、ターゲット層への効果的なアプローチを実現する。
訪日外国人向けプロモーションをご検討の方へ
ENGAWA株式会社では、自社英語メディア「Tokyo Weekender」をはじめ、世界15ヵ国・地域22拠点の海外支社と連携しながら、国内外のKOLやインフルエンサーを起用したプロモーションが可能です。各国の最適なプロモーション手法の選定や、社内のネイティブスタッフによるコンテンツ企画、撮影投稿制作ディレクション、SNS広告運用など、ネイティブ視点で対象国のトレンドやニーズに合わせた最適なプロモーション施策をご提案いたします。
外国人向けプロモーションに関してご質問・ご相談等ございましたら、詳細な実例を含めた資料をご案内させていただくことも可能ですので、お気軽に弊社までお問い合わせください。