インバウンド需要の回復状況について、三井住友カードのクレジットカード決済データからインバウンド関連決済を抽出し、時系列・国籍別・決済地域 別・業種別などに細分化して整理・分析した調査が発表されました。
本稿では決済情報から見るインバウンド回復動向をもとに今後の動向を予測します。
国内消費市場の変化と訪日外国人数(コロナ前比)
コロナ禍で落ち込んだ国内消費市場は回復傾向となり、日本人による消費はコロナ前水準を回復したがインバウンド需要の回復にはまだ遅れがあります。
変動要因
- 10月以降増加水際対策緩和による入国者数増加
- 円安進行
- 中国のゼロコロナ対策
- ウクライナ近辺の航空禁止による航路変更
インバウンド決済推移
国内のインバウンド決済回数と金額のグラフからコロナ前水準に持ち直し始めていることがわかる。
キャッシュレス利用者や対応店舗が増加していることもあるが、中国からの入国が少ない現状から考えるとかなりポジティブな動きが確認できます。
地域別インバウンド決済回復について
地域別に回復状況を見ると関東・中部・東北ではコロナ前を上回る水準に達しているが、近畿・北海道、中国などの回復には遅れが見られました。
山形、群馬、福井は300%超えの回復状況となっており全てスノーリゾート地区が影響しているものと考えられ、積極的にインフルエンサーの起用や外国人俳優など海外に向けた発信を行っていたこともあり、水際緩和タイミングで日本がスノーシーズンということで上手く関心を得ることができたのではないかと推察します。
カード当たりの決済額について
2022年はカード当たりの決済額が大幅に増加しました。
変動要因 ※三井住友カード/日本総研の見解
- 円安1〜2割進行
- 3年ぶりの訪日旅行に伴うリベンジ消費
- 海外諸国でも積み上がっているコロナ貯蓄で、日本への旅行原資が潤沢に
上記に加えて、航空券の高騰や入国に伴う情報収集といった弊害から個人旅行者の戻りが遅い、もしくは若年層の旅行が少なくなり、結果として単価が向上したとも考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
決済情報からインバウンドの回復傾向と決済単価向上について、まとめた紹介でございました。
2019年のコロナ前水準に向けて顕著に回復している中ではありますが、まだまだ訪日外国人の主要国であった中国の戻りは少ない状況です。国策などを通してこの状況が変わるタイミングで一気に日本全体を取り巻くインバウンド決済額も変わってくることが予想されますので2023年は現在の回復に期待しつつ中国向けのプロモーションについても準備を進めておきたいところですね。
ENGAWAではグローバルなプロモーションを多く実施しており、300%以上の訪日回復が見られた山形県や福井県が実施していたインフルエンサー/著名人を活用した事例など多くございますので誘致したいなどインバウンド対策についてご検討であればぜひご相談くださいませ。
本日引用した資料は冒頭にもございます下記資料となっておりますので是非ご参考くださいませ。