アメリカの最新トレンドでは、「メタバース」「ヘルス&ウェルネス」「AIと自動化」が話題であり、未来を豊かにするために技術開発が行われています。アフターコロナの影響もあり、「人間が今後必要になるもの」がトレンドのポイントです。
この記事では、アメリカの基本データから具体的な施策例など、最新トレンドについて詳しく解説します。
この記事でわかること
- アメリカのSNS利用率と人気検索エンジン
- アメリカの最新トレンドをキャッチする方法
- 2023年のアメリカ最新トレンド3選
こんな方におすすめ
- アメリカの最新トレンドを知りたい人
- 今後のIT技術の進歩と実用化について知りたい人
- 訪日するインバウンド客に向けたビジネスを考えている人
アメリカの基本データ
ここでは、アメリカの基本データに関して2020年の統計データをもとに、SNS利用率・検索エンジンシェア率・デバイス比率を解説します。
SNS利用率
アメリカのSNS利用率は以下の通りです。
第1位:YouTube(ユーチューブ)
アメリカ国内において1位の利用率を誇るのは、動画共有サイトのYouTubeです。
アメリカを代表する企業でもあるGoogle社が運営しており、検索エンジンを始め、オンライン広告やソフトウェア開発なども運用しています。
アメリカの総人口3億2,669万人に対して、YouTube利用者数は約2億5,000万人以上とされており、国民の約80%が利用しています。
ちなみにYouTubeは全世界人口を対象にしても、約25.14億人以上が利用されているといわれ、全世界のインターネット人口の1/3を占めている最大級のSNSです。
第2位:Facebook(フェイスブック)
マーク・ザッカーバーグが創設者として有名なFacebookの利用率が、第2位です。2023年の利用率は、アメリカ国内のインターネット人口で75%以上を占めています。
アメリカ企業のeMaketerが行った調査によれば、2019年に約1億7,150万人の利用者がおり、2023年中には約1億8,000万人を超えると発表しています。
日本では若者のFacebook離れが加速していますが、アメリカでは利用者が多いことで情報が集まりやすいのが特徴です。
第3位:Facebook Messenger(フェイスブックマネージャー)
SNS利用率の3位は、Facebook Messengerです。
Facebook MessengerはFacebookに付属するチャット系アプリの一種で、Facebookで知り合った人なら全世界を通して会話ができます。
日本ではLINEなどのメッセージアプリが多く利用されていますが、アメリカではFacebook Messengerでメッセージを送る人が大多数であるほどの人気アプリです。
アメリカではFacebookの利用率が高いため、同時にFacebook Messengerの利用者も多くなっています。
第4位:Instagram(インスタグラム)
SNS利用率の4位は、写真のシェアがメインの機能となるInstagramです。
Instagramは写真を投稿して知人にシェアできるSNSとして人気で、海外の風景やトレンド、最新ファッションなどを共有できます。
アメリカでは2020年に約1億7,000万人以上の人が利用しており、現在も利用者は増え続けています。
第5位:X(旧Twitter)
SNS利用率5位は、X(旧Twitter)です。
テスラCEO、スペースX創設者兼CEOでもあるイーロン・マスク氏が買収したことで有名なXは、アメリカ国内では約1億6,000万人が利用しています。
現在はTwitter社をX社に改名し、世界的に著名な方も多く利用しているSNSです。
Xは、情報収集目的よりも自分から情報発信するツールとして利用している方が多く、ビジネスシーンでも多く利用されています。
検索エンジンシェア率
ここでは、アメリカ人の中で多く利用されている検索エンジンを紹介します。
第1位:Google(グーグル)
アメリカを代表するIT企業のGoogle社が提供する検索エンジンGoogleは、アメリカ人の63%のシェア率を占めており、堂々の第1位です。
Googleは、「情報量の多さ」や「検索の精度や正確性が高い」という理由で多くのアメリカ人が利用しています。
SNSシェア率でもYouTubeがトップのように、Google社のサービスに人気が集まる理由には、使いやすさや機能の充実性が関係しています。
第2位:Bing(ビング)
Microsoft社が運営する検索エンジンBingが、検索エンジンシェア率の第2位です。
日本人のなかでは利用者数が少ないイメージのBingですが、アメリカ国内のシェアは22%を誇ります。
BingはWindowsのブラウザ「Edge」の初期設定にもなっており、設定を変更せずに使い続ける人がいることもシェア率が保たれている理由のひとつです。
第3位:Yahoo!(ヤフー)
Yahoo!は、アメリカで12%のシェアを誇ります。
検索エンジンとしては独立していますが、上記で紹介した「Bing」の検索技術が用いられていることで有名です。
また、アメリカ版の「Yahoo!」は、ヤフー株式会社が運営する「Yahoo!JAPAN」とは別企業が運営しており、現在はAltaba Inc.(アルタバ)という企業が運営しています。
デバイスの比率
2021年のアメリカにおいて、スマートフォン所有率は96.3%です。その他のデバイスは、パソコン73.3%、タブレット50.2%、スマートウォッチ27.4%となっています。
統計データを基に単純計算すると、アメリカの人口約3億3,000万人に対して、インターネット利用者は2億9880万人です。
そのなかでインターネットに接続しているデバイス(モバイル端末)は、約3億5,380万台といわれており、総人口より多いため1人が1台以上所有してると推測できます。
また、2023年7月の普及率データによると、アメリカではiOS端末が約57%、Android端末が約42%と統計が出ています。
日本ではiOS端末の比率が約69%であるため、アメリカのほうがiOS端末の使用率が低いことが分かります。
アメリカのトレンドをキャッチする3つのポイント
ここでは、アメリカのトレンドをいち早くキャッチするための3つのポイントについて詳しく解説します。
テクノロジー
テクノロジーの最先端はアメリカで、日本は遅れているといわれています。その理由は、知識の高い技術者がアメリカに集まっているからです。
世界中から高度な知識を持つ技術者や研究開発員がアメリカに集まり、新しいソフトウェアやアプリケーションの開発を進めています。
また、さまざまな機器にIT技術が組み込まれる現代において、プログラミング言語は必要不可欠な存在です。
基本的にプログラミング言語は英語をベースに作られているため、母国語で学ぶ学生や技術者は知識の吸収も早く、成長スピードに極端な差が生まれます。
そのため、テクノロジーのトレンド情報は世界中でアメリカが最も早いといえるでしょう。
新しいライフスタイル
2015年に国連で採択された、2030年までに世界で達成すべきゴールを掲げるSDGs(持続可能な開発目標)について、アメリカ国内でも運動が徐々に始まっています。
しかし、国家の課題であるSDGsがトランプ政権からバイデン政権に移行してからは一貫性がなく、州や自治体の責任へと変わっているのが現実です。
そのため、目標を達成している州もあれば、遅れをとっている州も多くあり、地域ごとの格差が大きくなっています。
各州の問題になっている現在、エネルギーの枯渇問題やミニマリズム精神(必要なものを必要な分だけ使う)という動きがアメリカ国内でも追い風になっており、新しいライフスタイルを求める動きは今後少しずつ変わっていくでしょう。
SNSから情報収集
アメリカ国内の情報やトレンドを入手するには、「Facebook」や「Instagram」などのSNSを利用するのがおすすめです。
アメリカの著名人や芸能人、スポーツ選手も利用しており、アメリカ大使館が運用する公式アカウントもあります。
時事系のリアルタイムニュースだけでなく、流行やトレンドなども年代別に情報を入手することが可能です。
若者に人気のTikTokに関しては、利用するアメリカ人ユーザーも多くいますが、アメリカ連邦政府職員の公用端末での使用が禁止されています。さらにモンタナ州では、2024年1月1日からアプリの使用を禁止する州法案が可決されています。
そのため、今後アメリカ全体の動きを見ながら、トレンドを収集するSNSを選ぶのがよいでしょう。
2023年のトレンドを徹底紹介
ここでは、アメリカ国内で2023年にトレンドとなっている「メタバース」「ヘルス&ウェルネス」「AIと自動化」について詳しく解説します。
2023年トレンド①:メタバース
メタバースとは、インターネット上に作られた仮想空間のことです。
仮想空間にアバターと呼ばれる仮想キャラクターを作成し、仮想空間内を自由に散歩したり他のユーザーと交流できます。街の中を歩きショッピングを楽しんだり、現実世界に近い行動を体感することが可能です。
Facebook創立者のマーク・ザッカーバーグCEOは、2021年に社名を「Meta Platforms(メタプラットフォームズ)」に変更しました。
今後はメタバースが世界のトレンドとなり、人々が繋がりながらコミュニティが生成されビジネスでも利用されると語っており、社名を変えてまで未来の方向性を示しています。
コロナウイルスのパンデミックの影響で、行動を自粛しなくてはいけない経験を経て、メタバースのような仮想空間がリリースされたといわれています。
2023年トレンド② :ヘルス&ウェルネス
コロナウイルスによる行動制限がひとつの要因となり、「肉体的な健康を維持しながら、より良い生活を目指す」ヘルス&ウェルネスの考え方がトレンドとなっています。
例えば、Appleが発売しているAppleWatchでは、心拍数・呼吸数・酸素レベル・睡眠時間など多くのヘルスデータをスマートウオッチで確認できます。
2023年秋にリリース予定のiOS 17では、ヘルスケアアプリの中に「心の状態」を管理する項目が追加されることが決まっています。
2023年トレンド③:AIと自動化
2023年のトレンドは、人工知能(AI)による自動化です。
アメリカでは、2030年までにAI技術の進化と自動化によって現代人の労働時間が30%削減されると予測しています。
また、AI技術の開発は目まぐるしいスピードで進んでおり、雇用の減少や過失責任問題などが懸念されています。
人間が行う作業には、ヒューマンエラーによるミスや雇用者の健康問題の観点から業務量に限界があります。しかし、すべての業務がAIによって自動化されれば、365日24時間フル稼働しても問題は起こりません。
さらに、人為的なミスが減少し精度の高い仕事が期待できます。アメリカ企業もAIの導入には積極的で、技術の発展によって今後の未来を担う大切な存在となっていくでしょう。
トレンドに合わせたインバウンド集客の施策例
ここでは、トレンドごとのインバウンド集客の施策例を解説します。
具体例①:AR (拡張現実) 体験を活用した観光事業
日本では、インバウンド集客を活性化する施策例としてAR観光事業があります。
ARとは拡張現実を指し、スマートフォンなどのカメラによって映し出した現実世界の映像に、デジタル情報を組み合わせる技術です
観光ガイドやフォトスポット、スタンプラリーなどにAR技術を導入しており、各観光名所での体験をより分かりやすく届けることができます。
また、ARアプリなどを使用してもらうことで利用者のデータを収集することが可能です。
訪れた人数や行動パターンなどを研究することで、今後のマーケティングで役立てることができます。
具体例②:サステナブル思考に合わせたマーケティング施策
SDGsや気候変動による問題が世界中で注目されるなかで、インバウンドする外国人の興味を引く業界はアパレル産業や製造業です。
CO2削減のため、再生エネルギー可能な素材を使った製品には関心が高く、SDGs問題へ取り組む技術力が評価されています。
例えば、愛媛県今治市にある今治タオルは環境と安全に配慮したモノづくりで有名です。
世界中から集まる訪日外国人が、日本を訪れた際に口を揃えて言う「街がきれい」という感想は、日本が環境に配慮した取り組みや技術に力を入れているからだと考えられます。
具体例③:TikTokのトランザクションや音楽(流行りの曲に合わせることでリーチしやすい)
日本では若者を中心にTikTokユーザーが多く、海外からインバウンドで訪日する外国人が参考になるショート動画がとても充実しています。
流行りのポップな音楽と組み合わせることで「楽しさ」「面白さ」などが強調され、多くの外国人ユーザーが繰り返し視聴しています。
そのため、観光スポットや飲食店をTikTokで宣伝する手法はとても効果的です。さらに、流行りの音楽を合わせることで、リーチのしやすさは格段にアップするでしょう。
実際に京都のお茶屋さんでは、英語を使った商品紹介などをTikTokで配信して、マーケティングを行っています。
今後の見通し
2023年には、世界中で蔓延したコロナが落ち着き訪日するアメリカ人が多くなりました。
コロナ前の2019年には約3,200万人の外国人が訪日していましたが、2022年のコロナ禍では約32万人まで低下しています。
しかし、アフターコロナの2023年に入ると、円安が加速すると同時にアメリカ人だけでなく、海外から訪日する外国人が徐々に増えているのが現状です。
2023年1月〜7月までの統計では、1,303万2,900人の外国人が日本へ訪れており、円安が加速すれば2024年にはさらに増えると予想されます。
海外からのインバウンドが増えることが予測される今、トレンドをいち早く掴み、さまざまなマーケティングを施策していくのがよいでしょう。
まとめ
アメリカの2023年のトレンドでは、「メタバース」「ヘルス&ウェルネス」「AI技術と自動化」が注目されています。高度な知識を持ったIT技術者が集まるアメリカでは、今後の未来を激変させるような開発が毎日目まぐるしいスピードで進んでいます。
また、アフターコロナになり、円安が加速する現在では訪日外国人の数も大幅に増加し、日本経済を活性化する起爆剤となっています。訪日アメリカ人を筆頭に世界中から訪れる外国人に対して、日本が誇る繊細かつ高い技術力や昔ながらの文化をアピールすることが、今後の日本経済を発展させるマーケティングとなっていくことでしょう。
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