2025年上半期は、東南アジア各国で訪日観光が大幅に成長しており、多くの市場で月別過去最高を記録しました。春の桜シーズンとイスラム教の断食明け休暇が重なったことで、東南アジア市場全体の訪日需要が高まりました。
タイ
タイ市場では、2025年3月に過去最高を記録しました。特に春の桜シーズンが需要を大きく刺激し、安定的に訪日観光の拡大が続いています。消費行動の特徴としては、写真撮影を目的とした旅行が人気で、スキーなどタイでは体験できない珍しいアクティビティにも高い関心が寄せられています。旅行者は「SNS映え」を重視し、SNS投稿に適したスポットを積極的に訪れています。
SNSの利用状況を見ると、最も利用されているのはFacebookで、ニュースや趣味の情報収集から日常の投稿まで幅広い年齢層に浸透しています。次いでLINEが連絡手段として日本と同じように使われ、ショッピングやオープンチャット機能も活発に利用されています。Instagramは寿司やラーメンといった日本食を中心にグルメ情報収集に使われ、TikTokでは若い世代を中心にレビュー動画やライフスタイル投稿が増えています。
マレーシア
マレーシア市場も力強い成長を示し、2025年3月と4月のいずれも過去最高を更新しました。訪日需要は継続的に拡大しており、従来の観光地だけでなく新しい体験型観光への関心が高まっています。また、SNS経由での商品購入が活発で、デジタル決済の浸透が進んでいる点も特徴です。滞在は比較的長期に及ぶ傾向があり、多様な地域を訪れる旅行者が増えています。
SNSに関しては、WhatsAppが最も利用され、家族間のやり取りや企業の顧客対応のツールとして活用されています。Facebookは幅広い層に使われており、特にグループでの情報交換が盛んです。Instagramは10代から30代を中心に旅行投稿やインフルエンサーマーケティングに活用され、TikTokではライブコマースやTikTokショップの利用が増加しています。
シンガポール
シンガポール市場も好調で、2025年3月と4月にそれぞれ過去最高を記録しました。旅行者1人あたりの消費額が比較的高く、高い購買力を持つ市場であることが際立っています。高品質なサービスや特別な体験への関心が強く、東京や大阪など主要都市に集中する傾向が見られます。一方で、複数回訪日するリピーターが増えていることも注目に値します。
SNS利用は多言語環境が特徴で、英語・中国語・マレー語などを使い分けています。Facebookはビジネスとプライベートの両方で幅広く活用され、Instagramは旅行やグルメの情報収集に利用されています。また、TikTokは若い世代を中心に利用が拡大しています。
インドネシア
インドネシア市場は特に顕著な成長を示しています。2025年1月に当月過去最高を記録し、その後も継続的な成長が確認されています。3月および5月にもそれぞれ過去最高を更新しており、東南アジア市場の中でも特に好調な市場として位置づけられています。
旧正月(春節)に合わせた旅行需要の高まりや、ウィンタースポーツや雪需要が支えており、多くの旅行者が1週間を超える滞在を選んでいます。
SNSではWhatsAppが最も使われており、Instagramはカフェや飲食店の検索、旅行情報収集に不可欠なツールとなっています。Facebookも広い世代に利用され、マーケットプレイスでの購入も一般的です。TikTokは若者の購買行動に影響を与えており、YouTubeでは旅行関連や商品レビュー動画が多く視聴されています。
フィリピン
フィリピン市場も急速に拡大しており、2025年4月に過去最高を更新しました。東南アジアの中でも特に成長率が高く、新興市場として今後の拡大が期待されています。日本旅行への関心は急速に高まっており、ソーシャルメディアを通じた情報収集が活発です。文化体験や自然体験を重視する傾向も強く見られます。
SNS利用ではFacebookが主要な情報収集と交流の場であり、Instagramは旅行や日本文化に関する情報源として重宝されています。さらに、TikTokでは日本関連コンテンツの拡散が盛んに行われています。
ベトナム
ベトナム市場も安定した成長を見せ、2025年4月に過去最高を記録しました。比較的若い旅行者層が多く、訪日需要の拡大が続いています。旅行中は写真による思い出作りを重視する傾向があり、SNSを活用した事前情報収集も活発です。友人や家族と一緒に訪れるグループ旅行が人気である点も特徴的です。
SNSではFacebookが最も広く使われ、旅行投稿やグループでの情報交換が盛んです。ベトナム独自のメッセージングアプリZaloも広く利用され、企業との連絡にも使われています。TikTokも利用が拡大しており、YouTubeでは旅行やニュースの動画が視聴されています。投稿スタイルとしては、絵文字やハッシュタグを多用した写真重視の表現が目立ちます。
東南アジア市場に共通する特徴
全体を通して見ると、東南アジア市場ではFacebookがすべての国で主要なSNSとして存在感を放っています。それに加えて、WhatsAppやLINE、Zaloといった各国独自のメッセージングアプリが重要な役割を果たしています。さらに、TikTokやInstagramを活用したライブコマースが拡大し、インフルエンサーを活用したプロモーションが効果的な手法として確立しています。
消費行動の傾向としては、文化体験や自然体験を中心とした「体験志向」が強く、SNS映えを意識した観光行動が目立ちます。東京や大阪といったゴールデンルートに加えて地方への関心も高まり、より深い日本体験を求める長期滞在の動きも広がっています。
データ出典: JNTO(日本政府観光局)、観光庁、各種市場調査
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