コロナが明け、海外から日本にやってくる観光客が増えている現在、外国人に向けてSNSを活用し情報を発信する手段が主流になりつつあります。日本でも多くの企業やブランドがSNSを活用したキャンペーンを行っていますが、海外ではSNSの普及率が高く、拡散力を利用しブランドの普及や売上の増加につなげています。
この記事では、海外のSNSキャンペーンの規模や事例、インバウンド対策に有効なSNSについて詳しく解説します。
この記事でわかること
- SNSキャンペーンの活用方法
- SNSを実際に活用した事例
- インバウンド対策に有効なSNS
こんな方におすすめ
- SNSを使用して認知度をアップさせたい
- インバウンドにSNSを活用したい
- SNSの特徴をしりたい
海外のSNSキャンペーンの規模
日本でも普及率が高いSNSですが、日本の普及率が7,700万人(2019年末調査)なのに対して、世界では約39億人以上である50%以上の人がSNSを利用しています。
世界ではこの普及率を利用して、SNSを活用したキャンペーンを実施しブランド力や認知度を高めています。
このキャンペーンには、ハッシュタグを利用し発信するものや、インフルエンサーを通して情報を発信するものなど、SNSの活用方法は多岐にわたります。
SNSキャンペーンの主な種類は、下記になります。
ブランド認知度向上キャンペーン
企業やブランドの認知度を高めるキャンペーンで、ブランドに関するコンテンツのハッシュタグを利用した方法です。
エンゲージメントキャンペーン
フォロワーなどに、「いいね」や「シェア」、「コメント」などのリアクションをしてもらうことで、企業やブランドなどとつながりを強める方法です。
コンテスト・プレゼントキャンペーン
商品などをフォロワーに提供し、高揚感や深い関係性をもたせるキャンペーンです。
忠実なフォロワーに対してリテンションを高めつつ、エンゲージメントに報いることを目的とした方法です。
アンバサダーキャンペーン
フォロワーや顧客、潜在顧客に企業やブランドのサポーターになってもらい、友人をはじめフォロワーに宣伝してもらうキャンペーンです。
ブランドアンバサダーといったインフルエンサーとコラボレーションを行います。
【海外事例】TiktokやTwitterを活用したキャンペーン
海外ではSNSを活用したキャンペーンを取り入れている企業が多く、SNSを活用することで売上の増加だけではなく新規顧客の開拓などにもつなげています。
ここからは、海外の企業で実際に行われたTiktokやTwitterを活用したキャンペーンについて解説します。
Walmart
アメリカで生まれた世界最大のスーパーマーケットチェーンであるWalmartは、Tiktokを活用したキャンペーンを行っています。
Walmartは、利用する人の多くがTiktokを利用していることに気づき、他のSNSに呼び込むのではなくTiktokに参加することで売上を伸ばす戦略を立てます。
Tiktokで人気のインフルエンサーにWalmartで販売している商品を実際に使用してもらうライブ配信を行い、なおかつ、ライブ配信中に気になった商品をショッピングカートに入れることができる「ショップアロング」と呼ばれるキャンペーンを行いました。
Tiktokは化粧品や衣類など、流行を知る手段として活用されているため、気になる商品を探す手段として活用している方も少なくありません。
人気のインフルエンサーに商品を紹介してもらうショップアロングをすることで、効果や実際に使用した使用感などを見てから購入できるのが大きな魅力でしょう。
Walmartはショップアロングをしたことで、Tiktokの閲覧回数を増加できただけではなく、実際に来店するお客様の数や売上の増加にもつながっています。
McDonald’s
McDonald’sの公式マスコットキャラクターである「グリマス」をテーマにした紫色のシェイクを期間限定で販売しましたが、このシェイクを飲んで死んだふりをする動画がTiktokで流行しました。
この動画は「#grimaceshake」というハッシュタグを使って拡散され、1週間で約4億回再生を記録しています。
このTiktokの動画によって売上が後押しされ、2023年四半期決算が前年度の同時期と比べて約2倍となる純利益を生み出しました。
Domino’s Pizza
日本でも人気のあるDomino’s Pizzaですが、「#LetsDoLunch」を使ってTwitter上でつぶやくだけで注文時に割引を受けられるキャンペーンを過去に行っています。
このキャンペーンは、「#LetsDoLunch」をつぶやくだけであるため、誰もが簡単に参加でき、売上の増加はもちろん、新たな顧客開拓や認知度の向上にもつながります。
また、このハッシュタグを使ったキャンペーンは、ソーシャルメディア上で「Domino’s Pizza」というブランドの存在感を高めることにも成功した事例ともいえます。
【日本事例】海外に向けたマーケティングの日本企業の成功事例
日本でも多くの企業や自治体がSNSを活用し、地域活性化や来館数の向上などを目的としたキャンペーンを行っています。
日本の場合は、国内に向けての発信はもちろんですが、海外に向けて発信をすることで日本人だけではなく、外国人観光客を目的としたSNSマーケティングを行っています。
ここからは、日本から海外に向けて行われたSNSキャンペーンマーケティングの成功事例を解説しましょう。
高知県【外国人目線の情報発信】
高知県では、2015年に外国人向けの観光情報サイトである「Visit Kochi Japan」を開設しました。
このサイトは、主に南アジア圏からの外国人観光客を目的としていて、英語や中国語をはじめ、韓国語、タイ語を含む4ヵ国語に対応しています。
FacebookやInstagram、YouTubeといったさまざまなSNSを活用し、これらに乗せる記事の作成はネイティヴライターを起用し、海外の方に間違った情報や分かりにくい説明が記載されないようにされています。
また、実際に訪れた外国人観光客にヒアリングを行うことで、より生のデータを取り入れ発信できるように努力しています。
小野川温泉登府屋旅館【SNSの毎日更新】
山形県米沢市の「小野川温泉 鈴の宿 登府屋旅館」の若旦那である遠藤さんは、毎日ブログを発信したり、TwitterやInstagram、YouTube、フェイスブックといったSNSを使い分けながら発信しています。
発信する内容は、使用するSNSによって目的が異なります。
例えば、海外の方と交流したりきれいな写真を投稿する場合はInstagram、すぐに伝えたい旬の情報はFacebook、気づきをつぶやく場合はTwitterと分かれています。
また、若旦那である遠藤さんは、これまでSNSを活用してわかったマーケティングスキルに関しても発信しています。
加賀屋【ハッシュタグやキャンペーンの活用】
1906年創業の加賀屋は石川県七尾市和倉温泉にあり、FacebookやInstagram、Twitterを活用しています。
特に、Facebookは1.5万人のフォロワーがいて、写真や動画と一緒に記載されている文章の中には、英語や中国語のものもあり、海外に向けた発信も行っています。
宿泊プランや旅館の施設紹介、観光情報、オリジナル商品の紹介など投稿内容もさまざまですが、中にはハッシュタグを用いたキャンペーンも行っており、積極的にハッシュタグを活用しています。
インバウンド対策に有効なSNSとは
外国人が訪れる旅行を指すインバウンド。
2019年に官公庁が実施した「訪日外国人の消費動向2019年 年次報告書」では、外国人観光客が旅行前に得た旅行情報源の中で、観光系のホームページを抑えて「SNS」(24.6%)が1位となっています。
2位も「個人のブログ」(24.4%)と続いていて、外国人が日本に来るときには、SNSや個人的に発信しているブログを見て情報を集め、観光したいスポットを決めていることがわかります。
そのため、インバウンド対策にはSNSが今後も欠かせないツールとして挙げられてきますが、どのようなSNSがインバウンド対策に有効なのでしょうか。
Twitterのユーザー数
世界のTwitterのアクティブユーザー数は、約5億6000万人です。
知名度が高く人気が安定しているTwitterは、以前は男性利用者がメインでしたが、2020年以降は女性ユーザーが増え情報収集に使用している人も多いです。
Twitterというと、政治家や企業が活用し人気がある場合が多いですが、日本は欧米諸国に比べると俳優やインフルエンサーの人気も高まっています。
ハッシュタグなどを利用することで拡散力が高く、動画や記事と連動できるのも特徴の1つです。
Instagramのユーザー数
世界におけるInstagramのアクティブユーザー数は約20億人で、世界の数あるSNSの中でも人気が高いSNSの1つです。
ハッシュタグでの投稿の人気も相まっていて、自身が興味あるものに参加でき、インターネットで購入するものの情報源がInstagramであるケースが増えています。
商品の写真を投稿できるだけではなく、商品の詳細を表示できたり販売元のURLをリンク設定できるため、言葉の壁が少ないことも大きな特徴です。
Tiktokのユーザー数
世界におけるTwitterのアクティブユーザー数は、約10億人です。
短い時間内で多彩なジャンルの動画を楽しむことができ、スマートフォンのサイズに合わせた縦長で動画を視聴できるだけではなく、アプリ内で動画の編集もできます。
ある調査の結果では、米国や英国ではYouTubeよりも視聴時間が長いと報告されていて、短時間で情報や魅力を海外にも発信できるツールとして人気が高まっています。
Youtubeのユーザー数
世界におけるTwitterのアクティブユーザー数は、約25億人です。
YouTubeの強みは、動画によって情報を発信できる点で、より詳しい情報や詳細を動画を通して世界中に広められます。
また、動画をストックできるため、過去の情報を検索できるのも特徴です。
コロナ明けの訪日外国人観光客数は増えている
コロナが明けて海外旅行に行く人も増えていますが、訪日外国人観光客数も増加していて、2023年6月にはコロナ明けで初めて200万人を突破しています。
欧米諸国をはじめ、アジアなど世界各国の旅行先として日本が人気であり、2020年のコロナ禍に行った調査によるとコロナ収束後に行きたい海外旅行先として日本は1位を獲得しています。
コロナ明け前から日本に旅行に行きたい外国人数が増加傾向にあるため、コロナが明けた今後は外国人観光客数もより増えていくでしょう。
まとめ
海外に向けて情報を発信する手段として、SNSを活用する方法は効率的で、なおかつ、キャンペーンの内容次第では大きな利益を生む可能性も考えられます。
SNSの種類は年々増加しており、どのSNSを活用するかによっても効果が異なるため、自身の企業やブランドがどのようなターゲットを目的としているか把握することが重要です。
また、日本のインフルエンサーも良いですが、海外向けのインフルエンサーや海外在住のインフルエンサーを起用することで、言語の壁を超えより的確に情報を発信することも可能でしょう。
ENGAWAでは、外国語SNSにおいて影響力の高いインフルエンサーによるマーケティングのサポートをしています。SNSを使ったマーケティングを検討していましたら、お気軽にお問い合わせください。